以前は、ときどき商品写真の撮影を頼まれることがありました。
近年あまり機会がなかったんですが、また依頼が来そうなので撮影機材をすこしアップデートすることにしました。
自宅で撮るばあいは仮設の撮影ブースを組んでいますが、出先で撮るときになにか手軽なものがないかと探していたら良さそうなのを見つけたので紹介します。
ブロガーだけでなくYouTubeで商品紹介やレビューをやる人にもお奨めです。
スマホと室内照明だけできれいな写真が撮れる
まずは実際の作例をご覧ください。
今回購入した商品が届いたので、気軽にテストで撮影したもの。カメラはiPhoneで、ライトはごくふつうの家庭用蛍光灯です。
デジタル一眼レフカメラとクリップオンストロボで安易に撮ったものと比べてみましょう。
1枚めのほうがだんぜんきれいですね。
一眼レフのほうは、まったくライティングを工夫していないフラッシュ直射のせいで、ひどいできです。
今回紹介する商品を使うと、室内照明とスマートフォンだけでかなりいい感じの写真が撮れることがわかります。
ポイントは、背景になっている撮影台です。
商品撮影を簡単にする撮影セット
商品撮影でめんどうなのが、背景の処理とライティングです。
背景に余計なものが写っていると主役となる商品がぜんぜん引き立ちません。
そこで背景紙(バックペーパー)や背景布を設置し、その上に商品を置いて撮影します。
背景紙、背景布は商品に対してかなり大きめのものを用意する必要があり、それを吊すためのスタンドや撮影台なども必要で、照明機材まで含めるとかなり大がかりになります。
なんとか手軽にしたいときは、商品撮影ボックスというものがありますが、これにはちょっと注意が必要です。
ボックスの中に付属のLEDライトを取り付けるタイプのものが手軽でよさそうに見えるんですが、実際に使ってみると光量が足りず、あまりメリハリの利いた写真が撮れません。
むしろメリハリをあまり付けたくない写真向きともいえますが・・・。
使わないときは折り畳んでおけるし、出先での出張撮影にも便利そうですが、実際に買ってみると意外に組み立てなどがめんどう。
ライティングまでしっかり考えるとなると、むしろボックスが邪魔です。
Pino Studioでボックスの不便さから解放される
そこで今回目をつけたのが、Amazonで見つけたPino Studioという商品。
背景用シートを専用の取り付けボードに引っかけるだけで簡単に撮影台ができあがるというお手軽撮影セットです。
背景シートは適度な厚みがあり、丈夫でしわになりにくいので、紙や布より扱いが簡単。
水濡れにも強く、汚れたら拭けばいいので、繰り返しなんどでも使えます。
メーカーのWebサイトに、PinoStudioを使った作例写真が載っているので紹介しましょう。
こんな雰囲気のすてきな写真が簡単に撮れます。
Pino Studio 撮影セットの内容
Pino Studioの背景シートは、65×65cmのSサイズから300×150cmのXLサイズまで4種類ラインナップされています。
そのうち、120×65cmのMサイズと120×90cmのLサイズは、専用ボードがあり簡単に撮影台をセットアップできます。
手軽な撮影台としてお奨めなのが、この専用ボードとのセット商品です。
今回は120×90cmのLサイズを購入してみました。
シートの横幅が90cmなので、けっこう大きな梱包が届きます。
畳の床に置くとこんな感じ。
梱包を開くと、筒状のものが現れました。
茶色い保護シートに包まれたのが背景シートで、その下に見える白いものが専用ボードです。
背景シートの柄はたくさんバリエーションがありますが、今回は大理石模様を選びました。
そのほかには、製品紹介のリーフレットと背景シートの色見本、取り扱い説明書などが入っています。
”pino studio"と書かれた白いストラップは、背景シートを丸めて束ねるのに使います。
シートを使わないときは、丸めて立てておくようにと書かれていました。
巻き癖がついたときは、ドライヤーで温風を当てるといいそうです。
使い勝手のいい専用ボード
背景シートは片側が袋状になっていて、その部分を専用ボードに引っかけます。
このちょっとした工夫で、背景紙用のスタンドもいらないし、クリップも必要ありません。
シートの巻き癖がきついときだけは反対側をクリップで押さえる必要があるでしょうが、今回届いたものはわりと簡単に広がってくれました。
専用ボードは至って簡単な構造です。
ホワイトカラーのたぶんアクリルボードで、裏側に脚が付いています。
脚は蝶番で止められていてさっと開くだけ。よくあるフォトスタンドと同じ仕組みです。
蝶番はしっかりしたもので、簡単に壊れるようなことはなさそう。
脚の開き方次第で、ボードの角度をいろいろ調整できます。
ボードの2辺と脚の先端には滑り止めの黒い樹脂が張られています。
いわゆる「ゴム足」みたいなものですね。
また、ボードと脚のそれぞれ1ヶ所にはマグネットシートも貼られています。
脚をたたんだときにこのマグネットがピッタリくっつくので、持ち運びのときにもばたつくことはありません。
専用ボードは50cm×65cm(Mサイズ、Lサイズ共用)とそれなりに大きく、適当な袋を探すのもたいへんなので、こういった気配りはありがたいですね。
ボードの右上角には控えめにブランドロゴがプリントされています。
縦でも横でも、レフ板にも
滑り止めの足は専用ボードの短辺と長辺のそれぞれ一方についています。
スタンドの方も2ヶ所に貼られています。
つまり、縦長でも横長でもOK。
ボトルのような背の高いものは縦長にセットして撮りましょう。
また、ボードを見ていて思ったんですが、これ自立するレフ板としても使えますね。
防災用のアルミシートをクリップで留めて、銀レフにしてみました。
手軽にブツ撮りしたい人にお奨め
ご覧のように、ボードをさっと広げてシートをかぶせるだけで撮影ブースを作れるPino Studioは出張撮影なんかに便利です。スタンドと背景紙を持ち運ぶのに比べると、荷物はぐっとコンパクトになります。
それでいて箱に囲まれた撮影ボックスに比べるとライティングの自由度ははるかに高く、多灯ライティングを駆使したいけど、背景セッティングのスペースが限られているといった悩みの方にもお奨めです。
おまけに、すでに自分用のスタジオをお持ちの方でも、専用ボードだけでレフ板としての使い途があります。
こんな方におすすめ
- スマホと室内照明や自然光で手軽に商品撮影したい
- 手軽に持ち運べる撮影台&背景シートが欲しい
- 商品撮影ボックスにはできない、高度な多灯ライティングにも挑戦したい