長年使ってきたキーボードが、文字の入力を頻繁に取りこぼすようになってストレスが溜まってきたので、ついに買い換えることにしました。
そこで考えたのが、まず入力が快適なメカニカルキーボードにするという点で、これについては最近ずっと紹介してきたとおりです。
さらにもうひとつ、できれば英語配列のキーボードにしたいと考えていましたが、無事導入が終わったのでそのヘンの経緯をまじえながら、紹介します。
この記事の目次
英語配列キーボードにメリットってあるの?
なぜわざわざ英語配列のキーボードを使いたいかというと、ソフトの使い勝手の問題です。
ショートカットを本来のレイアウトで使いたい!
最近すっかりはまっているBlackMagic Design社の動画編集ソフト DaVinci Resolve(ダビンチリゾルブ)は、とんでもなく多機能でキーボードショートカットが無数といっていいほど割り当てられています。
しかし、海外(オーストラリア)製なので日本語キーボードで使うには、ちょっとショートカットの割り当てが使いにくいところがあります。
DaVinci Resolve以外の海外製ソフトでも、日本語キーボードでのショートカットの操作性についてはよく言及されるところです。
これでまず、英語配列キーボードにしようかと思い始めました。
かつての愛用ソフトと再会
さらにもうひとつのきっかけがあります。
最近ブログ記事をどんどん執筆するようになって、もっと使いやすいテキストエディタがないか探し始めました。
条件は昔使っていたエディタのように2ストロークキーで操作できること。
2ストロークキーとはエディタのいろんなコマンドやカーソル移動などの操作を、キーボードショートカットやキーの連続操作(2ストロークの由来)でできるようにしたものです。
要するにホームポジションからなるべく手を離さずタイピングに集中したいんですね。
この2ストローク操作のスタイルに長年なじんでいたんですが、Windowsのキーボードショートカットとは合わないこと、販売会社が精算して取り扱いが終了したことなどが重なって、しばらく縁遠くなっていました。
ところが最近になって、消滅したとばかり思い込んでいたこのかつての愛用ソフトが実はまだ生き残っているのを発見。
使わなくなった直接のきっかけは、メジャーバージョンアップがなじめなかったからなんですが、今となってはどこがダメだと感じたのかもよく覚えていません。
試してみたらやっぱりよく手になじんで、考えながらタイプするのにはぴったりなのがわかり、もういちど購入して、使うことにしました。
キモは【Ctrl】と【Esc】が押しやすいこと
Windowsのキーボードショートカットでは【Ctrl】キーを多用します。
また2ストロークキー操作では【Ctrl】キーと並んで【Esc】キーをよく使います。
しかしこのふたつのキーはWindowsパソコンの日本語配列キーボードだとホームポジションから遠くて使い勝手はよくありません。
そこで、どうせキー割り当てをカスタマイズするなら、ベースが英語キーボードのほうがいいんじゃないかと考えるようになりました。
英語配列キーボードを使う上で注意すること
ところで、英語版キーボードを使うといっても、ただパソコンにつないだだけでは、正しい文字は入力できません。
どんな問題があるのか、知っておきましょう。
そもそもキー配列が違う
英語キーボードと日本語キーボードの違いでだいじなのは、キートップにかなが表示されているかどうかではありません。
ローマ字入力の人ならキートップにかな表示がなくても問題ないし、実際にかな表示がない日本語配列のキーボードも販売されていますから。
もっと重要なのは記号の場所が違うことです。
たとえばメールアドレスで使用する@は、日本語キーボードでは【P】の右隣で【Enter】キーの近くにあります。しかし英語キーボードでは数字の【2】のキーを【Shift】と同時に押して入力します。
そのほかにも、日本語入力のオン/オフを切り替える【半角/全角】キーや【変換】【無変換】キーの有無などが違います。
さらに英語キーボードには\記号がないとか記号の配置がけっこう違うとかいろいろあるので注意しましょう。
しかし問題はこれだけではありません。Windows側の設定も必要なんです。
Windows側にも設定が必要だ!
Windowsパソコンに英語キーボードをつないでいきなり使うとどうなるでしょうか?
たとえば@を出そうとして英語キーボードの見た目どおり【Shift】+【2】キーを押しても@は出てきません。
それどころか日本語キーボードで打っていたときと同じ"(ダブルクォート)が入力されます。
@を出そうと思ったら、日本語キーボードのときと同じように【P】の右隣のキーを押さなければなりません。英語キーボードなら【[】キーです。
つまり英語キーボードをつないでも出てくる文字は日本語キーボードと同じ。見た目と結果が違ってくるんです。
なんでこんなことが起きるかというと、キーボードで打った信号をパソコンがどのように受け取るかをWindowsのほうで決めているからです。
単に英語キーボードをつないだだけだと、Windowsはそれを日本語キーボードで打ったものだと解釈するようになっているので、打った文字と実際に出てくる文字が違ってくるんです。
それでハードウェアキーボードレイアウトという設定が必要になります。
キーボードレイアウトを英語用に変更しよう
普通にWindowsパソコンを使っていると、日本語キーボードを使っているはずですからハードウェアキーボードレイアウトの設定も日本語キーボード(106/109キーボード)になっています。
そのため、英語キーボードをつないで文字を打っても、Windowsは日本語キーボードで打ったものだと勘違いしてしまいます。
これが英語キーボードで打った文字が、そのまま出てこない原因です。
これを修正しましょう。
ハードウェアキーボードレイアウトを変更する手順を紹介します。
step
1Windowsの設定を開く
step
2言語の設定を開く
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3「言語」設定の中にある「日本語」をクリック/タップ
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4[オプション]ボタンをクリック/タップ
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5[ハードウェアキーボードレイアウト]で[レイアウトを変更する]をクリック/タップ
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6ダイアログボックスで[英語キーボード(101/102キー)]を選択して[OK]
これで英語配列キーボードで入力した文字を、すなおに英語キーボードとして扱えるようになります。
英語キーボードで日本語入力のオン/オフを切り替える
ところで英語キーボードが正常に使えるようになっても、日本語入力ができなかったらわざわざ買う意味がありませんよね。
日本語キーボードだと、【半角/全角】キー(または【漢字】キー)で日本語入力のオン/オフを切り替えていたと思います。
でも英語配列キーボードに【半角/全角】キーなんてありません。
その代わりが【Alt】キーを押しながら【`】キーを押すという操作です。
【`】はバッククォートといって、英語配列キーボードでは【1】キーの左隣にあります。
この位置は日本語配列キーボードだとちょうど【半角/全角】キーがあるところなのでわかりやすいですね。
準備はできた! 次はもっと便利にするぞ!!
以上で、英語配列のキーボードでちゃんとキートップのとおりの文字を入力できるようになります。
海外製ソフトのキーボードショートカットが、本来の設計意図どおりのキー割り当てで使えるはずなので、もしショートカットが使いにくと感じているのならぜひ英語配列キーボードを試してみてください。
ところで次回はもうちょっとマニアックに、英語配列キーボードで日本語入力を快適に使うための設定を追求します。